「考えてばかりでうまくいかない」、「人生を変えたい」、「過去の繰り返しから脱却したい」、そんな悩みを持っていませんか。
長倉顕太氏の「移動する人はうまくいく」では、意思の力では行動は変えられないとし、行動を変えるために環境を変えよう、環境を変えるために移動しようと呼びかけています。確かに移動をして新たな環境に触れることで、脳への刺激、固定観念の払拭、新たな経験、新たな人との出会いとメリットがあると考えます。手軽にできそうな移動から極端な移動まで様々な移動について紹介されています。リスクやハードルが高い移動まで全部を実践する必要はないので、著者の主張の意図を知ったうえで、これなら実践したいと思うような移動を見つけて、人生を少しずつ好転させていきましょう!
本の概要
編集者として累計1100万部と数々のベストセラーを生み出し、人を行動させてきた著者が、移動によって行動力&継続力が上がり、人生が豊かになる方法を紹介する本です。なぜ「移動」が必要なのか、その意図の説明とともに、具体的にどのようにして移動力を高めるのかの方法も記載されています。
この本を選んだ理由
本の帯に記載されている「考えてばかりで動けない」が消えてなくなる方法という文字を見て、購入しました。過去の経験から悩んでばかりでは良いことがないのは頭では分かっているのに、どうしても悩んだり考え込んでしまってばかりだったので、現状を打破するヒントを得ることができるかもしれないと感じました。かなり昔に読んだ大前研一氏の書籍において記載されていた人間を変わる3つの方法(①時間配分を変える、②住む場所を変える、③付き合う人を変える)を思い出し、移動して今いる環境を変えるというのは大前研一氏の人間が変わる方法のいずれかを変えることであり、移動することで本当にうまくいくのかもしれないと思ったことも購入の後押しとなりました。
読んでみて印象に残ったこと
正直なところ、まえがきを読んだとき、「環境→感情→行動の順で動いているから環境を変えるだけでいい。環境をどんどん変えるために移動する」という著者の主張に対し、「なるほど!」と思うとともに、「そうは言ってもなかなか環境を変えられない」と思いました。しかし、例えば引っ越しもできないのに人生を変えるのは難しいと言われてしまえばぐうの音も出ず…。それに引っ越しまでいかずとも、小さなところから移動力を鍛える方法がいくつも紹介されており、できるところだけでも取り組んでいこうと勇気づけられました。
物事を感じ取るセンサーが壊れている?
そもそも「好き嫌い」を感じることすらできていない人ばかりとの記載にドキッとさせられました。年齢を重ねるについて、昔は好きだったものが色褪せてみえたり何か決めるときも周りの目を気にして他人軸で考えてしまったりすることが増えていたからです。自分の感覚を麻痺させている、センサーが壊れていると言われると、そうなのかもしれないと思いました。センサーを強制的に再起動せざるを得ない環境に身を置くために有効なのが、「行ったことのない所に行くこと、全く違う環境に行くこと」。確かに、同じ場所にとどまって同じものにしか触れていなければ、好きなことも興味のあることも見つからないですね。転職や引っ越しはなかなか難しくても、まずは行ったことのない所に行ったり話したことのない人と話したりする機会を増やしたいです。
会社員は生存権を奪われている?
著者の主張である「会社員の状況を考えたとき、関わる人、働く時間、働く場所を選ぶことができないわけで、これは完全に生存権を奪われていると言える。」は、一理あります。寧ろ、本を読む前から私もそうこぼしていました。会社員である以上、定時もしくはコアタイムまでに業務を開始する必要がありますし、「来週から異動ね!」と言われたらNoとは言えません。自分の移動だけでなく、周りの異動によっても働きやすさはかなり変わります。上司の鶴の一声でリモートワークの日数が大幅に減ることもよくある話です。会社に生存権を握られているとの主張は共感できます。
しかし、組織に属することで守られている面も大きいのも事実です。著者は生存権を奪われる対価として低い給料というエサを与えられると主張していますが、そうは言っても個人で同じ額を稼ぐのは相当大変です。組織で働くのが当たり前であると思い込まないことを意識しながらも、自分が何を優先したいのかを整理して働き方を選ぶのが重要だと考えました。
ベストセラーは読むな!では、何を読む?
「人生をうまくいかせるには、その他大勢から抜け出すことが重要になってくる。そのときに、ベストセラーを読んでいるとそのほか大勢のままだ。」、「ベストセラーを読むのではなく、ベストセラー作家が読んでいる本を読め(ただし、古典は別)」が著者の主張でした。これに関しては、「ベストセラー作家が読んでいる本とはどんな本なんだろう?読んでみたい!」と純粋に思いました。
著者が紹介して入れたSNSでの検索も試してみましたが、個人的に活用していきたいと思ったサイトがあったのでご紹介します。「WEB本の雑誌」というサイトの中の「作家の読書道」というコーナーです。作家自身は、どんな「本屋のお客」なんだろう?そしてどんな「本の読者」何だろう?という疑問を作家の方々に直撃インタビューした内容が月一で更新されています。作家の方々が今読んでいる本ではありませんが、過去に読んで影響を受けた本などが紹介されていて、非常に参考になります。
キャラクターが人生を決める!
「今のあなたもなんらかのキャラクターを演じていることに気づこう。いや、多くの場合、演じさせられている。」
心当たりがありすぎてドキッとしました。私自身が心当たりがあったのは職場でのキャラクターです。実は私は入社してから何度かキャラ変をしています。部署異動をきっかけに、もっと周囲に馴染まなければ、頼りなさを払拭しもっと発言力を強めなければという思いでキャラ変したものですが、自分で選んだはずなのに自分のキャラクターを受け入れきれず、無性に苦しくなることがあります。しかし、周囲から「ノリが悪くなった」、「今までは言いにくいことも全部言ってくれたのに、急に何も言ってくれなくなった」とがっかりされるかもしれないと思うと今更もとに戻すのも難しく、それに、そもそもキャラクターを変える前はどうしていたかもよく分からなくなってしまいました。今の自分が本来の自分を上書きしたのかもしれません。そう考えると、著者の言う「あなたの『親』があなたのキャラクターを決めたと言っていい。」も一理あると感じます。親の考え方や親の口癖がいつの間にか移っている場合はもちろん、逆に親と真逆の考え方や口癖も親の影響を受けているのではないかと考えます。
「過去を知っている人」、「過去によるコントロール」から逃れるためにも、新しい環境も目指していきたいと思います。
実生活に取り入れたいこと
まだ、読んだだけで実践できていませんし、効果のほどはこれからの期待ではありますが、読み終わった感想としては、新年早々良い本が読めたと満足感でいっぱいです。第6章「移動体質をつくる30のアクションプラン」を中心に、紹介されていた移動・行動のうちの幾つかを今年の目標に織り込みたいと思います(一部は自分なりにアレンジしています)。
<今年の目標に織り込みたいこと>
- ベストセラー作家が読んでいる本を読む
- 著者に会いに、書店イベントに行く
- 四半期に1回旅行に行く (「年4回は海外へ、年4回は国内へ」をアレンジ)
- YouTubeは週に3日、1日1時間まで (「YouTubeは観ない」をアレンジ)
- 1日10分生成AIに触れる
- ロードムービーを観る
今年はフットワークを軽くし、とにかく移動や行動を増やしていきたいです。まだ、新年が始まったばかりですが、私の中の今年の漢字は「動」です!皆さんも一緒に移動していきましょう。
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